かが屋の魅力

f:id:haranomachi:20190612225851j:plain

今、かが屋が熱い。加賀と賀屋(かや)のコンビでかが屋。彼らのコントがとにかく面白い。コント師にもいろいろなタイプがあるが、彼らは突飛な設定やキャラクターに頼らず、高い演技力でディテールを表現することを得意とする。

 

例えば「合コンの誘い」というコントがある。

 

 

ファミレスで加賀が友人から合コンに誘われて断っているところにもう1人の友人として賀屋が登場して展開していくコントで、加賀と賀屋は客席に向かって座っている。つまり実際にはそこに存在しない友人と対面して話す形になる。この対面する友人が鮮明に見えてくるほど加賀と賀屋の演技が上手い。とりわけ感動したのが賀屋が登場して加賀が「(合コンに参加できるかどうか)賀屋にも聞きな」と対面の友人に促した部分。対面する友人が賀屋に何かを質問する間があり、賀屋が「ああ、ナイフかな。」と答える。対面する友人が合コンについてではなく無人島に何を持っていくかという全然関係ない質問をしたことを最小限の会話で観客に理解させている。すごい。賀屋が「ああ、ナイフかな。」と答える少し前に加賀が(何の質問してんだよ)の表情をしているのが上手いし細かい。

 

スポンサーリンク

 

 

加賀と賀屋、その関係性が自由自在なのもかが屋の大きな魅力だ。コントの中で明確なボケとツッコミが無いというのは珍しいことではないが、関係性の強弱すら決まっていない。例えばバナナマンだと設楽が優勢で日村が劣勢であることが多くなる。かが屋にはその決まった優劣が無いのだ。加賀も賀屋もどちらも請け負うことができる、というのが正しいだろうか。見た目の対立性がそこまで強くないことも理由のひとつだろう。そして基本的に2人とも優しい。ここで「シャンプー」というコントを観てほしい。

 

 

先輩が薦めるシャンプーを後輩が拒絶するコント。賀屋が先輩で加賀が後輩なので賀屋が強い立場になるのかと思わせておいて、実は攻撃しているのは後輩の加賀だ。かと言って先輩が傷つかないように後輩は言葉を尽くすし、先輩もできるだけ怒らないように落としてどころを探る。2人ともが優しさを持ち寄るコントだ。

 

「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」にテレビ朝日の加地倫三プロデューサーがゲスト出演した際、かが屋のスマホの縦横表示で切り替わる木野花のコントを褒めていて、確かにあんな設定で笑いを取るコント見たことないと思ったけれど、もしかしたらかが屋の本当の魅力はあの設定推しのコントではないのかもしれない。彼らの本当の魅力はその設定を支える地の部分、つまり演技力や根底に流れる人間としての優しさなのではないだろうか。