「俺の話は長い」第4話"アイスと夜の散歩"感想メモ

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光司 ひとつ聞いてもいいかな?
春海 ん?
光司 「あいつも寂しいやつだから」のあいつもの「も」は誰を指してる言葉かなあ、と思って。
春海 国語のテストみたい。
光司 文脈から考えると、おれか春海のどっちかなんだろうけど。
春海 そんなことないと思う。
光司 え? 他にも候補あるかな。
春海 お母さんでも、おばあちゃんでも、満兄ちゃんでも成立すると思うけど。
光司 じゃあ、家族5人のうちの誰かってわけだ。
春海 誰が一番寂しいんだろう。

 

「俺の話は長い」第4話"アイスと夜の散歩"で光司と春海が2人きりでアイスを買いに行った帰り道の会話である。このドラマが描こうとしている"家族"の姿を端的に表現していやしないか。「誰が一番寂しいんだろう」には家族全員が少なからず寂しいと感じているという前提が存在している。寂しさの形は複雑で、単純に相手との距離を縮めたい、一緒にいたい、という寂しさだけとは限らない。ちゃんと働いてほしいけれど自分らしさを失うようなムリはさせたくない、安心させるためにも変わらなければいけないのは分かっているけれどどう変わればいいのか分からない、そんな気持ちの持っていきどころの無さもある種の寂しさである。

 

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家族への期待、家族と一緒にこうなりたい、だから思い通りにならないと自分の気持ちが伝わっていないのではないかという寂しさに襲われる。けれどそこで関係を断つわけにはいかないのも家族。距離を置いて済む他人とは違うのだ。

 

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