Audibleで配信中の千鳥psesents「大悟の煙草百景」が面白い理由

※紹介しているコンテンツは記事公開当時の情報です

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「Audible(オーディブル)」で配信を開始した千鳥psesents「大悟の煙草百景」の第１回が衝撃的なくらい面白かったので紹介します。

千鳥psesents「大悟の煙草百景」とは

千鳥psesents「大悟の煙草百景」とは、本の朗読を聴いて楽しむサービス「Audible(オーディブル)」の「Audible Station」で配信されている音声コンテンツ「よしもと音声研究所」の中のひとつです。

これは日本全国の煙草を吸いたくなる街を訪れ、大悟が煙草を吸い歩く煙草バラエティーで、配信中の第１回では沖縄県那覇市にある石原煙草店を訪れ、店主の石原さんにインタビューする様子が収録されています。

千鳥psesents「大悟の煙草百景」の何が面白いのか

「大悟の煙草百景」の何が面白いのか考えてみたのですが、ノブが大悟に対してと同じように素人である石原さんにツッコむところ、ここだと思いました。

お笑いにおけるツッコミは基本的に言い方がキツくなる場面が多いのでコンビ間の信頼関係に基づくノリがあった上で成立するものだと思うんです。

だから芸人ではない素人の人に対するツッコミが必要になったときには言い方がマイルドになったり、一度相方が素人の人に乗っかり、その相方に対するツッコミになるように配慮したりが必要です。

ですが、「大悟の煙草百景」における石原さんに対するノブのツッコミは大悟に対するそれとなんら変わりません。

一部ではありますが、ノブの石原さんに対するツッコミを抜粋します。

大悟：煙草変えるきっかけって風邪引いたときか女変えたときですもんね。
石原：そうですねえ。
ノブ：そうですねえ、やあれへんがな！
石原：女変えたときも変えますかね。
大悟：横におる女がメンソール吸うてたらメンソールになったりするやつもいますからね。
石原：そうですね、そういうのもあるかもしれないですね。
ノブ：誰が喋ってんねん！　誰と誰が喋ってんねん！

大悟：（石原さんに）思い出の１本とかあるでしょ？
石原：そうですね、思い出の１本と言えば……、いろいろあるんですけど。
ノブ：無くてええ！
（中略）
石原：二十歳で子どもをつくったもんですから、１番最初の子どもが生まれたときに病院の外で吸った１本が。
ノブ：吸うな！　辞めるきっかけや！

これらの石原さんに対するノブのツッコミが成立する理由は２つあります。

１つ目はこの「大悟の煙草百景」という企画自体がボケになっていること。

「大悟が街で煙草を吸い歩くバラエティー」という企画のザックリ具合、そして視覚には頼れない音声コンテンツにおいてあまり音のしない「煙草を吸う」ということにスポットを当てた点、これらによって番組全体に漂う「誰が聴くねん！」というボケ雰囲気がノブに全方向に対してツッコミできる権限を与えているように思います。

対象が素人（石原さん）であっても例外ではありません。

そして２つ目はノブのツッコミが世間に認められた共通言語になったこと。

地上波のバラエティー番組で追い詰められることによって絞り出されたノブのツッコミ。あれは決して上から振り下ろす拳ではなく、下から叫ばれる「ヘルプミー」であり、だからこそ観ているものに不快感を与えず、広く受け入れられてきたものだと思います。

ですから、そのツッコミがたとえ自分に当てられたとしても、スッと受け入れることができるのではないかと思うのです。

「大悟の煙草百景」を聴いてもらえば分かりますが、ノブが大悟に対してツッコみ、石原さんに対してツッコみ、企画自体にツッコんでいます。

ノブによるツッコミ無双が繰り広げられています。

第１回は１２分弱という短いコンテンツですが何回声に出して笑ったか分かりません。めちゃくちゃオススメです。