チケットキャンプの「チケット代金別途」取り扱い中止は転売問題を解決できるのか

ユーザー同士がチケットの売買を行うことができるサイト・チケットキャンプが2017年8月1日(火)から「チケット代金別途」の取り扱いを中止することを発表しました。

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現在、チケットキャンプでは「チケット代金別途」のお取引が可能ですが、2017年8月1日(火)より取り扱いを中止致します。(中略)今回の変更により、買い手は、あんしん決済でのお支払代金のみでお取引が可能となりますので、より簡単にチケットをご購入いただくことが可能となります。

 

引用:【重要】チケット代金別途の取り扱い中止に関しまして | チケットキャンプ

 

チケット代金別途とは

 

そもそもこの「チケット代金別途」とはどういうシステムなのか、というところから説明します。

 

「チケット代金別途」は、あんしん決済でお支払いいただく落札代金の他に、別途指定のコンビニでチケット代金のお支払いが必要なお取引です。

 

引用:チケット代金別途とはなんですか? | チケットキャンプ

 

簡単に言うと「チケットを発券する権利だけを譲る」という取り引きのことです。

 

売り手は発券をしていない状態で出品します。ですからチケット代を払っていない状態です。この状態で出品を行い、落札されたら買い手に対して発券番号をお知らせし、買い手自身が発券を行う際にチケット代を別途支払うという取り引きです。

 

買い手は発券するときに正規のチケット代金を支払う必要があるため、普通に購入するよりもチケットキャンプの売り手に支払う発券番号代が高くつくということになります。

 

チケット代金別途が中止になる理由

 

今回発表されたお知らせでは「複雑な取引となるチケット代金別途のお取引を廃止することで、より多くのお客様に分かりやすいサービスをご提供するため」とされています。

 

確かにチケット代金別途のシステムをよく分かっていない場合、チケットキャンプの出品価格にチケット代金が含まれていると思ってしまうユーザーもいると思います。もしかしたらそんなユーザーからの問い合わせやクレームなどが多かったのかもしれません。

 

8月1日からはチケットキャンプ内での支払いだけで完結しますよ、という分かりやすさのための中止ということです。

 

が、理由はそれだけではないと思っています。ここからは私の憶測です。

 

この「チケット代金別途」で買い手が売り手に払う発券番号代、これそもそも何? って話じゃないですか。

 

だってチケット代は普通に買い手が支払うわけですから、チケットキャンプを通して売り手に払うお金は売り手の儲けになるわけです。(チケットキャンプが差し引く手数料もあるのでそのままの額ではありませんが……)

 

「転売とどこが違うの?」という意見が出ていたのではないか……と思うのです。これはあくまで憶測で何の根拠もありませんが。

 

チケットキャンプのサイトにははっきりと「転売目的でのチケット購入、販売は固くお断りさせて頂きます。」という記載があります。システムとして転売を認めてしまっている、とまでは言いませんがそう思われてしまう可能性が高いものをそのままにはしておけないという判断なのではないか、と。

 

「チケット代金別途」中止で転売は無くなるのか

 

この「チケット代金別途」の取り扱い中止によって転売問題は解決するのかというと、答えはNOです。

 

出品システムで定価以上を設定できてしまう限り、この問題は解決しないと思います。もちろん「定価以上の出品=転売目的」とは言い切れませんが、売り手が儲けを見込んでしまったらそれは転売目的と同じなのではないかと私は思うのです。

 

みんな大好きバナナマンの単独ライブが今年も行われます。

 

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bananaman live 2017「Super heart head market」のチケット料金は定価¥6800(税込)です。

 

定価の4倍以上の値段で購入されたチケット代の儲けはバナナマンに支払われるのではなく、作家のオークラ氏に支払われるのでもなく、マネージャーの小山さんに支払われるわけでもない。全然知らない人の懐に入っていくって考えるとすごい悔しい。

 

価格の大小の問題ではないかもしれませんが、例えば定価の2倍以上の設定はできないとかって難しいものなんでしょうか。

 

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