ライターとしての仕事をもらうためにやったこと

僕は会社員ですが、以前フリーランスでライターをしていたことがあります。

全くの未経験、コネなしの状態でそれまで勤めていた会社を辞め、ライターになりました。

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1年半くらいライターをやって、また会社員として働き始めたのですが、その後の面接でよく聞かれたことは「ライターのとき仕事どうやってもらってたの?」ということでした。

 

自分でも聞かれて初めて「確かに……」と思ったのですが、思い返してみるといろいろやっていたような気がします。

 

そんなわけでライターとしての仕事をもらうためにやっていたことをまとめておきたいと思います。ちなみにライターを始めた2010年半ばくらいの話です。

 

「ライター募集」で検索

 

ベタですが「ライター募集」で検索しました。

 

現在とそれほど変わらない結果だと思うのですが、クラウドソーシングのサイトがたくさん出てきます。

 

全てスルー。魅力的な案件がなかったというのが理由です。

 

この方法で繋がった仕事はありませんでした。

 

ウェブメディアの求人を探す

 

今ほどではないにしろ当時もウェブメディアがたくさんありましたので、そういったメディアの求人ページを片っ端から見ていきました

 

ウェブメディアの求人ページには業務委託でライターが募集されていることがあります。

 

具体的には下の2サイトで仕事をさせてもらうことができました。

 

 

どちらもライター応募としてメールを送り、編集を担当している社員さんから連絡が来て仕事に繋がっていった感じです。

 

ウェブメディアでは未経験であることはあまり影響がなかったような気がしています。

 

何が重要かというと、面白いネタが出せるかどうか

 

ネタというのは何についての記事を書くかという企画のことです。

 

未経験でも影響がなかったとは言え、いきなり「じゃあ記事を書いてみて」とはなりません。必ずネタ出しという、簡単な企画書(僕の場合は100文字くらいをテキストファイルで送っていました)を編集者に提出して、その企画が通れば初めて取材、執筆という流れになります。

 

これはウェブ、紙ともに共通して言えることですが、ネタは「誰も見つけていないもの」か「誰もやっていない切り口」という意識で提出していました。

 

「誰も見つけていないもの」は他のメディアで取り上げられていないもの、新しいものなど。「誰もやっていない切り口」はすでに誰もが知っているものを視点を変えて取り上げるみたいなことです。

 

実際に書いた記事がまだ残っているのでいくつか貼っておきます。

 

www.menscyzo.com

 

www.menscyzo.com

 

知っている雑誌の編集部にメール

 

ライターになりたいと思ったのは雑誌が好きだったからです。QuickJapanやテレビブロス、BRUTUSなど。専門誌だと演劇ぶっくなどでしょうか。

 

そういった雑誌の編集部宛てに企画書(わりとしっかりめのもの)を添付してメールしました。

 

ほとんどが音沙汰なしでしたがQuickJapan(以下、QJ)の編集者の方と三才ブックスという出版社の編集の方から返信があり、会ってもらえることになりました。

 

QJは太田出版が刊行している隔月のカルチャー誌で、お笑い、マンガ、音楽、演劇、アニメ、ファッションなど全てのカルチャーがごちゃ混ぜになっている感じが好きでよく読んでいました。QJの編集者の方から返信が来たときは小躍りするくらい嬉しかった。

 

実際に太田出版に行って企画を出したのですが、ウェブメディアのようにすんなり通ることはなく、「まずは掲載されるかどうか約束できないけど400字で1本コラムを書いてみて」ということになりました。

 

ネタ出しを行い、ネタが通り原稿を書いて提出。原稿に対するダメ出し、リライトというラリーが複数回続き、原稿のOKが出て初めて自分のコラムがQJに載ることになりました。

 

その記念すべきQJがこちらです。

 

「シャンハイチャーリー」というマンガのレビュー記事でした。

 

その後もQJではいろいろ書かせていただきました。

 

今をときめく脳みそ夫さんを取材したり、大好きなバナナムーンGOLDの池田Pを取材したりしたのもQJの企画でした。

 

三才ブックスは「ワンダーJAPAN」という廃墟や遺跡、不思議な建築物の写真が載った本で有名な出版社です。

 

その三才ブックスの社員さんが「うちの雑誌には紹介できないけど人手を募集してる編プロなら紹介できるよ」と言ってくれたんです。

 

編プロとは編集プロダクションの略で、出版社から編集を請け負い書籍や雑誌を作っているところです。

 

僕が紹介された編プロはフリーの編集者が3人集まって仕事をしている共同事務所のようなところでした。その事務所に机がひとつ余っていて、パソコンも借りることができて、雑用込みでいいなら交通費は出してあげるという感じで転がり込むことになりました。

 

雑用として必要なものの買い出しや書籍の表紙のスキャンなどをやっていた気がします。

 

そんな雑用の合間に「これ書いてみて」という感じでスマートフォンアプリのレビュー記事やアニメ各話の概要記事などの仕事をもらっていました。

 

ここでは取材の見学なんかもさせてもらってすごく勉強になったことを覚えています。

 

「テープ起こしやります」とアピールする

 

編集者が探しているものの中に「テープ起こししてくれる人」というのがあります。

 

テープ起こしとはインタビュー取材を録音した音声を文字に起こすことです。なぜこの作業をしてくれる人を探しているかというと、この作業、ものすごく時間かかるんです。だから常に人手が足りていないんだと思います。

 

音声ファイルを聞きながら文字に起こし、文字を入力している間に音声が先に進んじゃうので巻き戻し、また聞き直して起こしていく。この作業を繰り返します。

 

人によって早い遅いはあるし、インタビュー内容によっても違いは出てくるのですが、僕の場合は10分間のインタビューを起こすのに60分かかっていました。

 

インタビューは60分だったり120分だったりまちまちですが、例えば60分のインタビューの場合は6時間くらいかかっていたことになります。

 

このテープ起こしは本来インタビューをしたライター本人の仕事なのですが、ライターが忙しいという理由でテープ起こしは編集者の仕事になり、編集者も忙しいのでアルバイトやライター志望者に回ってきます。

 

この仕事を嫌な顔せず、早いスピードで、正確にできると編集者がすごく喜びます。編集者と良い関係を築けると次の仕事に繋がる、というわけです。

 

僕はQJでも編プロでも、このテープ起こしを結構な数こなしていました。もちろん多少のギャラも出ますしね。

 

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ライターを辞めて会社員になった理由

 

書き出してみたらライター時代にすごく充実した日々を送っていたことを思い出しました。

 

なんだかめちゃくちゃ楽しかったんですよね。仕事が嫌だなんて全然思いませんでした。

 

それでも1年半で辞めることにしたのは食べていけないからでした。結構頑張って仕事をしていたのですが、生活していけるほどの原稿料はもらえていませんでした。

 

もしかしたら続ける方法もあったかもしれませんが会社員に戻る決断をしました。ウェブメディアで記事を書いたことがきっかけでウェブの仕事をしてみたいと思ったのも理由のひとつかもしれません。

 

そんなわけで現在はウェブの仕事をしています。会社員として。それなりに楽しいですよ。

 

今もライターを続けていたらWELQ騒動の渦中にいたりしたのでしょうか。